職場・施設形態

療養型・慢性期病院で働くPT・OT・STの仕事内容・維持期リハの実際・給料

更新日:2026/09/08 読了目安:約7分 執筆:ケアリーチ キャリアアドバイザー

療養型・慢性期病院で働く理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事内容、維持期リハビリの実際、1日の流れ、給料の傾向、向いている人、求人の探し方をキャリアアドバイザーが解説。落ち着いた環境で働きたい方の参考になります。

「療養型病院はリハビリの出番が少ないのでは」「維持期のリハビリで自分のスキルが落ちないか不安」という声を、転職相談でよく耳にします。一方で、療養型・慢性期病院で働く療法士からは「1人の患者さんと長く向き合える」「残業が少なく家庭と両立しやすい」という声も届きます。療養型病院は急性期や回復期とは目的が異なるため、良し悪しではなく「自分の価値観に合うかどうか」で判断することが大切です。この記事では、療養型・慢性期病院の特徴、仕事内容と1日の流れ、給料の傾向、向いている人、求人の探し方を整理しました。

療養型・慢性期病院の特徴と対象患者

療養型病院とは、急性期の治療を終えたものの、医療的な管理が継続して必要な患者が長期に入院する病院です。医療療養病床と、介護保険が適用される病床を持つ病院があり、近年は医療と生活支援を兼ね備えた介護医療院への転換を進める病院も増えています。

入院患者の多くは高齢で、脳血管疾患の後遺症、認知症、神経難病、呼吸器疾患、複数の慢性疾患を抱えた方が中心です。人工呼吸器や経管栄養、喀痰吸引など医療処置を必要とする方も多く、寝たきりに近い状態の患者の割合が高いのが特徴です。入院期間は数か月から年単位に及び、そのまま最期を迎える患者も少なくありません。

リハビリ職の目的は、機能回復よりも「現状の維持」「廃用や合併症の予防」「快適な生活の実現」に重点が置かれます。回復期のように在宅復帰率が問われる場面は少なく、患者の生活の質を支える視点が求められます。

療養型・慢性期病院で働くPT・OT・STの仕事内容

職種別の主な業務は次のとおりです。

職種主な業務
理学療法士関節可動域の維持、拘縮予防のポジショニング、車いす座位の耐久性向上、離床と歩行練習、呼吸理学療法、褥瘡予防のための姿勢調整
作業療法士食事動作や整容の維持、車いす・クッションの調整、認知症患者への活動提供、レクリエーションや季節行事の企画、生活環境の整備
言語聴覚士摂食嚥下評価と食形態の調整、誤嚥性肺炎の予防、経口摂取の再開支援、コミュニケーション手段の確保、看護・介護職への食事介助指導

療養型病院ではリハビリの提供が疾患別リハビリテーションの算定期限を過ぎている患者も多く、その場合は短時間の介入や、看護・介護職と協力した日常的な離床・ポジショニングが中心になります。療法士がベッド上の姿勢や車いすの調整方法を病棟スタッフに伝え、「病棟全体で廃用を防ぐ」仕組みをつくる役割が大きくなります。

1日の流れの例

  • 8:30 出勤、申し送りで夜間の状態変化や発熱者を確認
  • 9:00〜12:00 ベッドサイドでの介入、離床の介助、車いす座位の設定
  • 12:00 食事場面の評価(STが中心、OTは食事動作の確認)
  • 13:00〜16:30 午後の介入、ポジショニングの指導、車いすの調整、カンファレンス
  • 16:30〜17:15 記録、計画書作成、翌日の準備

取得単位数は、傾向として1日13〜18単位程度に設定している病院が多く、回復期に比べると余裕のある病院が多いようです。土日はリハビリを休みにしている病院もあり、日勤のみ・土日休みという条件で働ける求人も比較的見つかります。

アドバイザーのひとこと 療養型で働く療法士に共通して大切なのは「変化が小さくても評価に落とし込む」姿勢です。関節可動域が数度維持できた、食事介助の時間が短くなった、といった変化を数値や写真で記録しておくと、病棟スタッフからの信頼が上がり、リハビリの価値を病院内で説明しやすくなります。この記録の習慣は、後々どの職場に移っても強みになります。

療養型・慢性期病院の給料の傾向

療養型病院は医療法人が運営する中規模の病院が多く、給与水準は急性期の大規模病院に比べるとやや控えめな傾向があります。一方で、療法士の人数が少なくリハビリ科の責任者になりやすいこと、残業が少なく実質的な時給が高くなることも少なくありません。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2024年)によると理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均年収は約430万円です。ケアリーチに掲載されている療養型・慢性期病院の求人72件を集計すると、平均月給は約24万円万円となっています。同じ法人が老健や訪問リハビリを併設している場合、法人内で異動しながらキャリアを広げられる点も見逃せません。

療養型・慢性期病院に向いている人・メリット・デメリット

向いている人

  • 高齢者や重度の障がいを持つ方と、長く穏やかに関わりたい人
  • 摂食嚥下や拘縮予防、ポジショニングを専門的に深めたい人
  • 看護・介護職と協力して病棟の仕組みを作ることにやりがいを感じる人
  • 育児や介護と両立するため、日勤のみ・残業少なめで働きたい人

メリット

  • 単位数のプレッシャーが比較的小さく、残業が少ない病院が多い
  • 少人数のリハビリ科で裁量が大きく、責任者を任されやすい
  • 終末期や神経難病など、他の施設形態では学びにくい領域を経験できる

デメリット

  • 劇的な機能回復を見る機会が少なく、やりがいを感じにくい人もいる
  • 療法士の人数が少なく、相談相手や研修の機会が限られる
  • 急性期・回復期のような最新の治療手技に触れる機会は少ない

療養型・慢性期病院の求人の探し方

療養型病院の求人は、欠員補充で不定期に出ることが多く、地域密着型の病院ほど公開されにくい傾向があります。転職を検討する場合は、次の点を確認してください。

  1. 医療療養病床か、介護医療院への転換予定があるか
  2. リハビリ科の人数構成と、職種のバランス(STが1人だけという病院も多い)
  3. 目標単位数と、算定期限を過ぎた患者への関わり方
  4. 土日のリハビリ提供の有無、日勤のみで働けるか
  5. 同一法人内に老健・訪問・デイケアがあり、異動やキャリアの選択肢があるか

見学では、病棟の車いす座位の様子やポジショニングの実施状況を見ると、リハビリ職の提案が病棟に浸透しているかが分かります。

よくある質問

Q. 療養型病院に長くいるとPT・OT・STとしてのスキルは落ちますか?

急性期のリスク管理や最新の治療手技に触れる機会は減りますが、摂食嚥下、拘縮予防、シーティング、終末期のリハビリなど療養型ならではの専門性は確実に深まります。学会や研修に自主的に参加し、変化を評価で示す習慣を持てば、他の施設形態に移るときにも十分に評価されます。

Q. 療養型病院はST(言語聴覚士)の需要がありますか?

需要は高い傾向にあります。療養型病院は誤嚥性肺炎の予防や経口摂取の維持が大きな課題で、嚥下評価と食形態の調整ができるSTは病院にとって重要な存在です。1人職場になることも多いため、相談できる外部のネットワークを持っておくと安心です。

Q. 療養型病院から回復期や急性期へ転職できますか?

可能です。療養型での重度者への対応やポジショニングの経験は、回復期の重症患者や急性期の廃用予防にも活かせます。ただし単位数の目標や記録量が増えるため、転職前に評価の手順やリスク管理の知識を復習しておくとスムーズに移行できます。

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タグ:生活期 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 給料 残業少なめ

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