言語聴覚士の平均年収・月給・手取りはいくら?職場別・年代別の実態と上げ方
言語聴覚士の平均年収は約430万円(厚生労働省調査、PT・OT・ST・視能訓練士の平均)。急性期・回復期・介護施設・小児など職場別の給与の傾向、年代別の目安、手取りの考え方、STならではの年収の上げ方をケアリーチ掲載求人のデータとともに解説します。
「言語聴覚士は人数が少ないのに給料は高くないと聞く」「病院から介護施設や小児に移ると年収はどう変わるのか」。言語聴覚士は、摂食嚥下、失語・高次脳機能、構音、聴覚、小児の言語発達と専門領域が広く、職場によって求められる役割も給与の構造も変わります。求人数が理学療法士・作業療法士より少ないぶん、相場をつかみにくいのも実情です。この記事では、公的統計とケアリーチの求人データをもとに、言語聴覚士の年収・月給・手取りの目安と、職場別・年代別の傾向、年収を上げる方法を整理します。
言語聴覚士の平均年収・月給・手取りの目安
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2024年)によると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均年収は約430万円です。言語聴覚士のみを切り出した精密な値ではありませんが、同じ施設ではPT・OT・STで基本給を揃えているところがほとんどで、実務上の相場はこの水準を目安に考えて問題ありません。
月給と年収の関係
年収は「月給×12+賞与」で決まります。ケアリーチに掲載中の言語聴覚士求人の平均月給は約27.2万円万円です(掲載求人1,945件、2026年11月8日時点)。月給に固定残業代や住宅手当が含まれているかで実態が変わるため、基本給の額と賞与の実績月数を必ず確認してください。
手取りの目安
手取りは額面の75〜80%程度が一般的な目安です。月給24万円なら19万円前後、月給28万円なら22万円前後と考えておくと大きく外れません。2年目から住民税が引かれ始めるため、1年目より手取りが減ったように感じる点は知っておきましょう。
職場別の言語聴覚士の給与の傾向
言語聴覚士は職場によって業務の中心が変わり、給与体系にも特徴が出ます。
| 職場 | 主な業務 | 給与の傾向 |
|---|---|---|
| 急性期病院 | 嚥下評価、VE・VFへの参加、NST、失語症の初期評価 | 平均前後。賞与は公的病院で安定 |
| 回復期リハビリテーション病院 | 失語・高次脳機能、嚥下の集中訓練、退院支援 | 単位数に応じた手当がある施設もあり月給はやや高め |
| 療養型・慢性期病院 | 嚥下管理、食形態の調整、廃用予防 | 残業少なめ、基本給は平均前後 |
| 介護老人保健施設・特養 | 嚥下評価、食事場面の指導、介護職への助言 | 基本給はやや低めだが、STが1人体制で責任者手当が付く例も |
| 訪問リハビリ・訪問看護 | 在宅での嚥下・コミュニケーション支援 | 件数手当で伸びやすいが、ST枠の求人は限られる |
| 児童発達支援・療育センター | 言語発達、構音、吃音、聴覚 | 事業所で幅が大きい。医療型は福祉型より高め |
| 耳鼻咽喉科クリニック | 聴覚検査、補聴器、音声 | 日勤で土日休みが多く、月給は平均前後 |
言語聴覚士の場合、訪問や介護施設の求人は「PT・OT・ST歓迎」の形で出ることが多く、STの受け入れ実績があるかを事前に確認する必要があります。
アドバイザーのひとこと 言語聴覚士の求人は数が限られるぶん、「STが1人しかいない施設」に入るかどうかで働き方が大きく変わります。1人体制は責任者手当が付きやすく年収面では有利ですが、相談相手がいない負担があります。経験3年未満の方には、まずST複数名の職場で基礎を固める道を勧めることが多いです。
年代別・経験年数別の年収の目安
| 年代 | 年収の傾向 | 差がつくポイント |
|---|---|---|
| 20代 | 300万〜380万円前後 | 施設形態と賞与月数 |
| 30代 | 350万〜450万円前後 | 主任、ST責任者、認定言語聴覚士、訪問への移動 |
| 40代 | 400万〜500万円前後 | 科長・管理者、教育・実習指導 |
| 50代以降 | 450万円前後〜 | 役職の有無で大きく分かれる |
目安であり、地域や施設で上下します。言語聴覚士は1施設あたりの人数が少ないため、比較的早い段階でST部門の責任者を任され、役職手当が付く例が見られます。
言語聴覚士が年収を上げる方法
ST部門の責任者・リハ科の役職を目指す
STの人数が少ない施設では、経験5年前後で責任者を任されることがあります。役職手当は月1万〜3万円程度から始まる施設が多く、リハ科全体の主任や科長に上がるとさらに差がつきます。
摂食嚥下の専門性を高める
摂食嚥下は急性期から介護施設まで需要が途切れない領域です。嚥下内視鏡検査への参加経験、NSTでの活動、認定言語聴覚士(摂食嚥下障害領域)などは、転職時の交渉材料になり、加算に関わる役割を任されやすくなります。
訪問分野・介護分野に移る
在宅での嚥下支援やコミュニケーション支援のニーズは高く、訪問看護ステーションでSTを募集する事業所も増えています。件数手当のある事業所では、日勤のまま年収を伸ばせる可能性があります。
転職で給与体系を変える
STの求人は数が少ないため、良い条件の求人が出たときに動けるよう、希望条件と職務経歴を整理しておくことが大切です。転職時は「基本給」「賞与の実績」「昇給の実績」「STの人数と教育体制」を比較してください。
アドバイザーのひとこと 言語聴覚士の方の給与交渉で有効なのは、「嚥下評価の実績(VE同席の回数、食形態の提案の経験)」と「失語症の集団訓練や家族指導の経験」を具体的に伝えることです。施設側はSTの採用機会が少ないぶん、経験の中身を重視します。数字と役割で伝えると、提示額が変わることがあります。
求人票で確認したいポイント
- 基本給と手当の内訳、固定残業代の有無
- 賞与の実績月数と昇給の実績
- STの在籍人数と、STの受け入れ実績(PT・OT向け求人の流用でないか)
- 嚥下評価の体制(VE・VFの実施の有無、医師との連携)
- 単位数や訪問件数に応じた手当の計算方法
- 学会参加や認定資格取得への費用補助
よくある質問
Q. 言語聴覚士の給料は理学療法士・作業療法士より低いですか?
同じ施設なら基本給は同じことがほとんどで、職種による差はありません。求人数が少ないため相場が分かりにくい面はありますが、統計上も3職種はまとめて扱われています。
Q. 小児分野の言語聴覚士は年収が低いのでしょうか?
児童発達支援などの福祉型事業所は控えめな傾向がある一方、療育センターや医療型の施設は病院並みの給与体系を持つところもあります。事業所ごとの差が大きいため、複数の求人を比較してください。
Q. 経験が浅くても訪問で働けますか?
嚥下評価や緊急時の判断を一人で行う場面が多いため、多くの事業所は経験3年程度を目安にしています。同行期間を設ける事業所もあるので、教育体制を確認したうえで検討しましょう。
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