訪問リハビリ・訪問看護ステーションで働くPT・OT・STの仕事内容・1日の件数・給料
訪問リハビリ・訪問看護ステーションで働く理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の仕事内容、1日の訪問件数の傾向、給料とインセンティブ、向いている人、求人の探し方をキャリアアドバイザーが解説。在宅分野への転職を考える方に役立ちます。
「訪問リハビリは給料が高いと聞くけれど、1人で訪問するのが不安」「1日何件回るのか、実際の負担感を知りたい」という相談は、病院で3〜5年ほど経験を積んだPT・OT・STから特に多く寄せられます。訪問リハビリは、利用者の自宅という生活の場で支援を行うため、病院とは求められる力も働き方も大きく異なります。給料面の魅力とともに、1人で判断する責任や移動の負担も理解したうえで選ぶことが大切です。この記事では、訪問リハビリ・訪問看護ステーションの特徴、仕事内容と1日の流れ、件数の目安、給料の傾向、向いている人、求人の探し方を整理しました。
訪問リハビリ・訪問看護ステーションの特徴と対象利用者
在宅でリハビリを提供する仕組みには、大きく2つあります。
| 提供元 | 制度上の位置づけ | 特徴 |
|---|---|---|
| 訪問看護ステーション | 看護師が管理者となり、PT・OT・STが「訪問看護の一環」として訪問する | 事業所数が多く、療法士の求人の大半を占める。医療保険・介護保険の両方に対応 |
| 訪問リハビリテーション事業所 | 病院・診療所・老健が提供し、医師の指示のもと療法士が訪問する | 母体の医療機関との連携が密で、退院直後の利用者が多い |
対象は、要介護認定を受けた高齢者のほか、医療保険で対応する神経難病、小児、末期がんの方など幅広く、退院直後の集中的な支援から、長期にわたる機能維持、看取り期の支援まで、関わり方は多様です。訪問看護ステーションでは看護師と同じ利用者を担当することも多く、看護とリハビリの視点を擦り合わせる連携が日常的に行われます。
訪問リハビリで働くPT・OT・STの仕事内容
訪問リハビリでは、機能訓練に加えて「生活そのものを整える」支援の比重が大きくなります。
| 職種 | 主な業務 |
|---|---|
| 理学療法士 | 自宅内の移動・起居動作の練習、屋外歩行や外出練習、転倒予防、福祉用具・住宅改修の提案、呼吸や循環の状態確認、家族への介助指導 |
| 作業療法士 | 入浴・トイレ・調理など自宅での生活動作の練習、環境調整、認知症の方への関わり方の助言、趣味や役割の再獲得、自助具の提案 |
| 言語聴覚士 | 摂食嚥下評価と食事環境の調整、家族への食事介助指導、失語症・構音障害へのコミュニケーション支援、神経難病の方の意思伝達手段の確保 |
1回の訪問は40分または60分が一般的で、バイタルサインの確認から始まり、その日の体調に応じて内容を調整します。訪問後には記録を作成し、看護師やケアマネジャー、主治医と情報を共有します。月ごとの報告書作成、サービス担当者会議への出席、退院前カンファレンスへの参加なども重要な業務です。
病院との大きな違いは「1人で判断する」場面が多いことです。利用者の体調が普段と違うときに、訪問を続けるか、看護師や主治医に連絡するかを自分で判断する必要があり、リスク管理の知識と報告の判断力が欠かせません。
1日の流れと件数の目安
- 8:30 出勤、朝礼で利用者の状態や連絡事項を共有、当日のルートを確認
- 9:00〜12:00 午前の訪問(3件程度、1件40〜60分+移動)
- 12:00〜13:00 昼休憩(事業所に戻る場合と、外で取る場合がある)
- 13:00〜16:30 午後の訪問(3件程度)、サービス担当者会議への出席
- 16:30〜17:30 事業所に戻り記録、報告書作成、看護師・ケアマネジャーとの連携
1日の訪問件数は、傾向として5〜7件程度を目安にしている事業所が多く、常勤の場合は月100〜120件前後が一般的な範囲といえます。移動は自転車、原付、自動車が中心で、都市部では自転車や電動アシスト自転車、郊外では自動車が多くなります。記録を訪問先や移動中にタブレットで済ませられる事業所では、残業が少なく済む傾向があります。
アドバイザーのひとこと 訪問の求人票で件数を見るときは「1日6件」の内訳を必ず聞いてください。40分と60分では1日の密度が違いますし、移動距離が長い地域では同じ6件でも負担がまったく変わります。加えて「体調不良で訪問できなかったときの扱い」や「看護師に相談できる体制」を確認すると、事業所の考え方が分かります。数字の高さだけで選ばず、無理なく続けられる件数かを見極めてください。
訪問リハビリの給料の傾向
訪問リハビリは、施設形態の中でも給与水準が比較的高い職場として知られています。理由は、訪問件数に応じたインセンティブを設けている事業所が多いことと、1人で訪問する責任と移動の負担に対する手当があることです。基本給に加えて、月の訪問件数が一定数を超えると1件ごとに手当が加算される仕組みが一般的で、件数を多く回る人ほど年収が上がります。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2024年)によると理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均年収は約430万円です。ケアリーチに掲載されている訪問リハビリ・訪問看護ステーションの求人3,903件を集計すると、平均月給は約29.5万円万円となっています。ただし、インセンティブが中心の給与体系では、利用者数の変動や自分の体調によって収入が上下します。固定給とインセンティブの比率、オンコールの有無と手当、賞与の実績を確認して、年収の下限と上限を把握しておきましょう。
訪問リハビリに向いている人・メリット・デメリット
向いている人
- 病院で3年以上の経験があり、リスク管理を1人で判断できる人
- 利用者や家族と1対1でじっくり関わることが好きな人
- 自宅の環境や家族関係まで含めて、生活全体を見る支援に興味がある人
- 自分の頑張りが給料に反映される働き方を望む人
メリット
- 給与水準が比較的高く、インセンティブで年収を伸ばしやすい
- 利用者の生活の場で支援するため、成果が生活の変化として実感しやすい
- 1件ごとの時間が確保され、腰を据えた介入ができる
デメリット
- 1人で判断する責任が重く、急変時の対応に不安を感じる人もいる
- 天候や交通状況の影響を受け、移動の負担が大きい
- 事業所によってはオンコールや土曜勤務があり、事業所間の差が大きい
訪問リハビリの求人の探し方
訪問看護ステーションは事業所数が多く、求人は年間を通じて出ています。ただし小規模な事業所が多く、運営方針や看護師との関係性で働きやすさが大きく変わるため、次の点を確認してください。
- 1日の訪問件数の目安と、40分・60分の割合、移動手段と移動距離
- 給与の内訳(基本給、件数インセンティブの基準、オンコール手当)
- 療法士の人数と経験年数、看護師との連携体制、相談できる相手がいるか
- 記録の方法(タブレット・訪問先で記録可能か)と残業の実態
- 医療保険の利用者(小児、難病、終末期)の割合と、自分の経験で対応できるか
訪問未経験の場合は、同行訪問の期間が十分に設けられている事業所や、療法士が複数在籍している事業所を選ぶと安心です。
よくある質問
Q. 訪問リハビリは経験何年から転職できますか?
一般的には病院で3年程度の経験があると応募しやすくなりますが、同行訪問や研修体制が整った事業所では1〜2年の経験でも採用しています。大切なのはバイタルサインの解釈や急変時の判断ができること、そして分からないときに看護師や主治医に相談できる姿勢です。
Q. 訪問リハビリの療法士にオンコールはありますか?
訪問看護ステーションのオンコールは基本的に看護師が担当し、療法士が持つことは多くありません。ただし事業所によっては療法士も緊急時の連絡対応に加わる場合があります。求人票に「オンコールなし」と明記されているか、面接で確認しておきましょう。
Q. 訪問リハビリは1人で訪問するのが不安です。どう準備すればいいですか?
入職前に、バイタルサインの基準値や中止基準、急変時の連絡フローを復習しておくことが有効です。入職後は同行訪問の期間中に、利用者ごとの注意点と「困ったときに誰に連絡するか」を確認しておきましょう。訪問経験者の多くが、最初の1〜2か月を過ぎると判断に慣れ、1人での訪問が自分のペースで働ける魅力に変わったと話しています。
ケアリーチで求人を探す
転職するか迷っている段階でもOK。希望条件に合う求人や、非公開求人の有無をキャリアアドバイザーがお調べします。
無料で転職相談をする